使える英語力修得のために必要な投資はいくら?(時間・お金)
必要な累積学習時間は2000~3000時間(ゴールまでの道のり)
あるスキルの修得には、投資が伴います。
そして日本人にとって英語学習への投資は小さくありません。
どれくらい時間がかかるのか?様々な情報をインターネットからかき集めてみました。
結果、英語圏で日常生活・仕事等において語学が大きな障壁とならないレベルになるまでにはおよそ2000~3000時間の学習時間が必要そうです。
お金に換算してみましょう。
1年間52週で週に5日働き、2週はお休み(夏・冬休み)、1日8時間労働として
(52-2)*5*8=2,000時間
時給1500円なら年収300万円
時給2000円なら年収400万円
時給3000円なら年収500万円
2000時間の投資とは、自分の年収分(300~500万円)相当の時間を投資するということです。
最近TOEICが昇進要件となる企業も多いかと思います。
昇進する事で月の給料が5万円上がると、12ヶ月+ボーナス6ヶ月として
5*(12+6)=90万円
将来にわったって毎年これだけメリットがあるなら、30年間働く事を考えると、英語は早いうちに修得するのは悪い投資ではなさそうです。なぜならPay Back(費やした時間・お金を回収)の期間は全くの0から学習を初めても5~6年だからです。(英会話を修得したことによる昇格により月収5万円アップと過程)
では、2000時間は捻出できるのでしょうか?
私の感覚でいうと、大学受験を経てやる気のある方が、仕事をしながら、大きな負荷を感じずに投資できる時間(やる気があればだれでも達成できるはずであろう時間)は500時間です。
これは、1年間で52週なので(50週で計算すると)、
平日250時間: 土日を除いて週5日毎日1時間勉強(5日×50週×1時間)
土日250時間: 土日でがんばって合計5時間勉強(50週×5時間)
合計が500時間になります。
この前提に立つと、ABCレベルから始める場合で2500時間のためには5年程必要という事になります。
ここで申し上げておきたいのは、この発言からもご理解いただけると思いますが、私は「聞くだけ」とか「話すだけ」でできるようになるとは考えていません。
従って、そのような考え方の方には、お役に立つ情報を提供できないと思いますのでこの先を読まれても時間の無駄となってしまう可能性が高い事を申し上げておきます。
一般的な日本人の累積学習時間(到達度)はどれくらい?
大学を卒業されている場合、当然英語は今まで学習されてきており、その累積の学習時間がございます。これはおよそ1000時間。中学校350時間、高校450時間、大学200時間となります。
中学では、
50/60(時間)×4(クラス)×35(週)×3(年)=350(時間)
中学校で習う英語は1クラス50分間で週4クラスです。1年間に35週学校に通い、それが3年。
高校では、
50/60(時間)×5(クラス)×35(週)×3(年)=437(時間)
大学では、
90/60(時間)×2(クラス)×30(週)×2(年)=180(時間)
90分授業にて1、2年で2コマずつとします。
英検2級をお持ちの方、またはセンター試験で8割以上とっていた方は、このレベルの1000時間は基本修得済みとカウントしていただいて結構です。
話せるようになるまであとどれだけ・何を勉強すればいい?
私が英語修得した感覚も交えながら
2500時間をざっくり分類すると以下の時間配分になります。
(こちら、適切な学習配分や総学習時間はこうだというご意見がある方、特に論文や文献など教育機関のデータをお持ちの方、情報提供いただけると大変助かります)
(1) 基礎力完成
1000時間(英検2級、読んで、聞いてなんとかわかる)
(2) 「知っている→使えるへ」その(1)
500時間
(3) 「知っている→使えるへ」その(2)
500時間
(4) 実践で必要な専門性を高める
500時間
詳細は別項で解説いたしますが、
(1)は、話すために必要な基礎的な英語力です(知っている事)
(2)は、基本の1500語を知っている→使えるスキルとしてのアウトプット力
(3)は、基本の4000語を知っている→使えるスキルとしてのアウトプット力
(4)は、自分に関連ある専門分野の語彙、知識、文化的背景等
すでにある程度学習された方は、(1)基礎力完成の1000時間は学習済みです。
残り必要学習時間は1500時間程となります。(1年500時間の学習なら3年)
つまり、
とりあえずなんとか話せるようになるまでには、
500時間(1年)
旅行などでは楽しく話せるようになるまでには、合計
1000時間(2年)
仕事で使えるようになるまでには、合計
1500時間(3年)
が必要となります。
石の上にも3年です。
ぜひ知っておいていただきたいのは「聞き流すだけで話せるようになる」たぐいの教材がありますが、私個人はこのような学習方法は「飲めば痩せる」というダイエット広告と同じだと考えています。トレーニングせずに筋力はアップしないというのが私の考え方です。
英語は例えば発音は日本語にない音を出せるようにする訓練が必要です。つまり正しく口を動かすために異なる筋肉を鍛えねば正しい発音は出ませんので、聞くだけでできるようになるのは難しいと考えています。
私が申し上げたいのは、ある期間(例えば1年くらい)で200時間程度だけやってやめてしまうのが一番もったいないという事です。(毎日継続して年間200時間を3年以上継続したりする場合はまた別の話です)。1年である程度ものにするのであれば、今年1年500時間達成に向けてがんばるぞ!と決意するまではやらないほうがいいと思います。
これは、別の言い方をすると、週に2回、1回当たり2時間程度の学習1年でおよそ200時間なので、この程度の時間しか投資できないなら、せっかく学習しても無駄になってしまいますのでやめておいた方がいいということです。楽に修得できるんだと甘く考え、週に2回、1回2時間もがんばってほとんど効果無しではもったいないと思います。ここでやめてしまうと振り出しに戻ってしまうので0からやり直さなければいけなくなってしまうので良くないのです。
英語は筋トレと同じで、毎日コツコツやるのがとても大事です。1週間に1回5時間やるよりは毎日1時間やる。もしくは通勤時間などの隙間時間を活用して学習するのが正解です。これもランニングや筋トレを想像してください。ゴルフやピアノの練習でもいいです。英会話はこれらの修得と似ていると思います。
ある程度の努力がいるという点で、非常に厳しい現実がある英語学習ですが、いい点もあります。
それは、英語はがんばれば必ず誰でもかなり高いレベルまでマスターできるということです。それは英語が人間がもっている優先度の高いコミュニケーション能力(言語)に関するスキルだからです。
私は大学院卒業まで理系でした。ですのである程度数学ができます。例えば積分は、結局足し算だとイメージがわきますし、フーリエ変換と言われて、要するにプリズムで光を偏光させて色を分けている事だというのを数式とイメージを結び付ける事はそれほど難しくありません。ただ、量子力学や高度な力学(例えば、コリオリの力を含めた場合のミサイルの弾道計算やコマの回転)は理解不能でした。ピアノ等の芸術性の高いものもとにかくたくさん練習すればお金をいただけるプロになれるかというと相当厳しいと思います。高度な理系やピアノは才能が必要です。
一方で、英語は、逐次通訳は無理かもしれませんが、ある程度のお給料をもらえるためのスキルとしては例えば仕事で十分に使える、昇進に必要な英語力といったレベルであれば、誰でもがんばれば99.9%修得可能だと言っていいでしょう。正しい方法で学習すれば必ずできるようになります。
例え一日の学習時間は短くとも毎日やる(時間はかかりますがいつかかならずできるようになります)。一気に訓練するなら500時間位をまとめて勉強する事を心がければ、大変ではありますが誰でも修得できます。この努力すればある程度収入に直結するという意味で才能を求められる数学やピアノと英語学習は異なります。
まとめますと、
使える英語力修得のために必要な投資は、
英検2級取得後で、最小で500時間必要、最終的には1500時間
これを元に学習計画を立てて見て下さい。
2)基礎力完成(到達度:英検2級、学習時間:1000時間)へ進む
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参考文献・ページ
英語の習得には何時間かかるの?
アメリカ人が必要な日本語学習時間:2400-2760時間(80-92週)
(アメリカ国務省のForeign Service Instituteという付属機関が1973年に発表した「外国語の研修成果と学習時間に関する」資料より)
英語の標準学習時間:最短は何時間か
"実用レベルに到達するには、2,000から3,000時間は必要と見て間違いなさそうです"
学校の英語の授業は何時間?
2)基礎力完成(到達度:英検2級、学習時間:1000時間)へ進む
目次
英語取得への道 トップページ
1) 使える英語力修得のために必要な投資はいくら?(時間・お金)
2) 基礎力完成(到達度:英検2級、学習時間:1000時間)
3) 知っている→使えるへ(訓練その1)(到達度:英検準1級、学習時間:500時間)
4) 知っている→使えるへ(訓練その2)(到達度:英検1級、学習時間:500時間)
5) 実践の中で高めていく(到達度:仕事で困らない英語力、学習時間:500時間)
6) おまけ:私たちバリューイングリッシュについて