英検準2級にライティングが導入されます。これは2020年に大学入試にスピーキングが導入されることと関連した動きと推察されます
さっそく、英検準2級はどんなテストになるのか見てみましょう。
●あなたは、外国人の知り合いから以下QUESTIONをされました。
●QUESTIONについて、あなたの意見とその理由を2つ英文で書きなさい。
●語数の目安は50~60語です。
●解答は、解答用紙のB面にあるライティング解答欄に書きなさい。なお、解答欄の外に書かれたものは採点されません。
●解答がQUESTIONに対応していないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。QUESTIONをよく読んでから答えてください。
QUESTION
Do you think students should take part in club activities at school?
[準2級・満点解答例]
I think that students should take part in club activities. I have two reasons.
First, students can make friends. For example, I met many nice people when I joined the art club.
Second, they can become healthier. If they join a sports team, they will exercise every day.
That is why I think they should join club activities. (58 語)
上記、以下英検公式サイトより引用
http://www.eiken.or.jp/eiken/info/2016/pdf/20161014_pressrelease_writingP2_3.pdf
【解説】
今回の英検プレスリリースを見ると以下の点が触れられています。
*中学校、高等学校の学習指導要領の目指す方向性と合致した設問である。
* 国際標準規格 CEFRレベル(準2級はA2レベル、3級はA1レベル)と整合性を持たせた出題である。
これはつまり、中学(3級)、高校(2級、準2級)の学習要領にも従いながら4技能測定をします。そして、究極的に1つの英語学習の目標は海外大学・大学院留学ですが、CEFRに準拠するということは、TOEFLやIELTSと同じ基準で評価するということです
日本の英語教育とTOEFLやIELTS試験の間には大学・大学院留学基準で準備しようとした場合に、非常に大きなギャップがありましたが、これで英検3級(中学)から1級(大学院留学レベル IELTS 7.0)までスムーズに階段を登っていけるように整備されたことになります
このライティングのサンプル回答からもIELTS/TOEFL等と同じ基準で評価されていることが分かります
Do you think~(あなたはどう考えますか?)という質問に対して、決まった答え方が英語にはあります
I think that ~…まずは結論
I have two reasons.(2つ理由があります)
First, …(1つ目は:理由①)
Second,…(2つ目は:理由②)
That is why I think …(上記の理由により私は~と考えます:結論の再提示)
こういった枠組みはもうルールなので基本この通りに話します。これは良くビジネスではこういう風にはなしましょうという話し方に似ています。(日本語は結論と理由の順番が基本逆)
最近中高生の教育現場にも少しずつ関わるようになって感じるのは、言語の違いは文化の違いのため、はじめはこの違いにとても生徒は戸惑うのです。そして理由をつけることができません。あくまで英語の試験なので個人的な意見を試験で聞いてるわけではないのですが、考え込んでしまう子が多い。
なぜ日本語は理由を言ってから、結論なのかといえば、私はこう思うという主張よりも、相手に理解してもらうこと、つまり相手が主軸になるためまずは理由を説明
一方、英語はまずは自分はどう考えるという主張が大事なので、僕はこう考える(結論)が先に来ます
つまり英語を学ぶということは、こういった文化の違いを早い時期から学ぶことになることにもつながるのです
当面はまず前述の型を1つ覚え、その上で基本的な語彙の運用力(瞬間英作力)を高めてください

名古屋大 物理工学科卒、米国の大学院にて原子核工学修士を取得(アメリカ留学)。20代はGEやBCGといった一流外資企業で語学力を活かし外国人のエグゼクティブへ英語でのプレゼン経験も多数有。理系でありながら、実用英語技能検定1級、TOEIC980点、IELTS7.5点。著書: 一生食える「強み」のつくり方
今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、オンライン英会話学校バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する「学び方」のノウハウには定評がある。