英検1級1次には合格したのですが、2次試験で実施される面接の対策が全くできていません。どうしたら良いでしょうか?
英検一級二次試験の準備方法と突破方法の解説をさせていただきます。英検1級2次試験は英語でのスピーチを1分で考え、2分スピーチし、質疑応答という試験です。この構成はTOEFLやIELTSといったその他お英語面接対策を勉強されたい方にもお役に立てる内容かと思います。
英検1級2次試験の徹底解説を以下の順番で行います。この記事を読めば英検1級の面接がどういうものかがわかり、何をどのように勉強するかが分かる状態を目指します。
流れとして、まず英検1級2次試験がどのようなものかを知る。そしてどのようにしたら突破できるか。その次に自分の現状(実力)を知り、最後に実力が足りないとわかった場合何をしたら良いのか、という具体的な勉強方法をお伝えします。
これを読んで分かったかと思いますが、孫子の「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」の枠組みに沿って解説していきます。
英検1級は「敵」ではありませんが、攻略しがいのある「チャレンジ」です!この虎の巻(記事)を手に取り、一緒に勝ちましょう!
・英検1級2次試験の分析と突破の要件
・面接を乗り切るために、現状を知る
・ギャップを埋めるための面接対策を実行する
・最後に 皆様へのお願い
はじめに 英検1級二次試験を知る
まず英検1級2次試験の試験の流れをご存じでない方は下記リンクより試験の流れをご確認ください。
英検1級2次試験の流れ
英検1級2次試験の配点は以下の通りです。
- 2次試験の合格点は850満点のうち602以上です。(満点は850/40点)
- 配点はスピーチ、質疑、文法・語彙、と発音(流暢さ)で各10点、合計40点
→602以上で合格のため、単純計算で40点満点中28.32点(≒29点)、各セクションで7点以上が必要となります
分野 | 分野名 | 説明 | 配点 |
Section1 | Short Speech |
The ability to produce a short speech on a given topic, organizing main points and supporting arguments into a coherent message. 与えられたトピックについて主要な点とその根拠をまとめ、首尾一貫したメッセージを組み立てる能力を評価 |
10 |
Section2 | Interaction | The ability to produce unplanned speech in response to questions and participate in conversation. 質問に対する応答と会話を継続する能力を評価 |
10 |
Section3 | Grammar and Vocabulary | The ability to use a range of grammar and vocabulary accurately and appropriately in planned and unplanned speech 幅広い範囲の語彙・文法を正確かつ適切に運用する能力を評価 |
10 |
Section4 | Pronunciation | The ability to articulate individual sounds and link words, and to use stress and intonation appropriately. 正確な子母音の発音・音変化、適切なアクセント・イントネーションを運用する能力を評価 |
10 |
合計 | 40 (850) |
出所】CEL英語ソリューション
英検1級2次試験の分析と突破の要件
1分の準備は何をするべきか?
まず始めの10秒でトピックを選びます。ここで悩んではいけません。ズバッといきます。
そもそも1分でスピーチを考えること自体慣れていない日本人にはかなりきついのでトピック選びに時間をかけてはいけません。
次に50秒を精いっぱい使ってスピーチを考えます。
トピック選定のコツ:10秒で選ぶ!
以下、2005年第3回の問題です
- Are people today too reliant on what the “experts” say?
- Which should schools emphasize more, competition or cooperation?
- Are advances in telecomunications making it less important meet people in person?
- Does the media have too much influence on politics?
- “Actions speak louder than words” – Do you agree?
ちょっと強引ですが、、、
- Are people today too reliant on what the “experts” say?
- Which should schools emphasize more, competition or cooperation?
- Are advances in telecomunications making it less important meet people in person?
- Does the media have too much influence on politics?
- “Actions speak louder than words” – Do you agree?
トピックは5つから選びますが大きく2つの問題に分けれます。
a) 全く前提知識がなくても答えられトピック(小学生だってスピーチできるトピック)
b) 知識があった方が有利なトピック
あなたならどちらを選びますか?
まず先に専門知識があったほうが有利なトピックを探します。ここで自分の専門、山を張ったトピックがあったらそれをえらびます。なぜか?
質疑応答で圧倒的に有利になるからです。
私が英検1級を受けたころラッキーにも出たトピックが原子力発電派推進すべきか?でした
私もともとエンジニアで、原子力工学を専攻しました。はっきりいって試験官の知識の100倍は自信があります。
スピーチに必要な理由もたくさん出てきます。
こうすると相手は意地悪な質問はできないので有利にスピーチを運べます。
一方で、あまり知識もないのに専門知識があった方がいいトピックを選ぶと泥沼にはまります。
次に、もし専門知識があった方がいいトピックの山が外れた場合は、一般的なトピックを探してみます。この場合視点は一つ。私はこう思うという主張がしやすいトピックを選びます。
※小学生・中学生は余程時事問題に興味があったり得意でない場合はこちらの一般的なトピックを選ぶのが無難と思います(英語力で基本勝負できるので)
こちらの場合意地悪な質問を受ける場合がありますが、スピーチは作りやすいのでスピーチでがんばります。
スピーチを練る: 50秒で
結論をビシっと決めます。
例えば1.を選んだとします
- Are people today too reliant on what the “experts” say?
YesかNoかを選べばいいので、例えばYesを選んだとしましょう。
次にイントロ、ボディー、結論もしくはPREPといった基本のフレームワークに従い
基本通りのスピーチを作り上げます。(詳細は後述)
ここのポイントは、しっかりたくさん練習しておいたいつものパターンで枠にスピーチの内容を埋めていく感じでスピーチを構成しておくことです。これを守ることでスピーチの練習を効率良くすることも可能になります。
つまり50秒をじっくり使って、お決まりのスピーチの枠に何を入れるかを考えていくそれが50秒を使ってやる事です。
2分のスピーチを作るとはどういう事か?:英語スピーチの型とお作法
さて、1分の準備期間が終わってついにスピーチです。
2分のスピーチってどれくらいの長さか分かりますか?
CNN Newsが読まれるスピード(ネイティブが話すニュースのスピード)がだいたい200 wpm(語/分)です。200 wordsというのはおよそA4に半分程度の量です(A4一枚でだいたい400 words)。
VOAという英語学習者用のオーディオはおよそ100-130 wordsでいわれています。相当早口の人でない限り、試験では緊張もしますので、このスピードになります。
つまり、2分のスピーチというのはA4半分程度の原稿に相当するスピーチを考えるという事です。これは、TOEFL、IELTSでも同じですし、自分の意見を述べる時は基本この型です。
さて、どれほどの量のスピーチを作らないといけないか分かったらつまり枠の大きさを決めたら、次にするのは、スピーチの枠を埋める事です
スピーチの枠は、以下の通り。
イントロ① スピーチへの入り
イントロ② 結論をほのめかす(はっきりいってもOK)
ボディー
パターン① 一つ目の理由として、二つ目の理由として、三つ目の理由として…というリスティング
パターン② こういう考え方(反対意見を先に説明する)+具体例、でもやっぱりこうでしょ+具体例という比較手法
結論① 自分の主張(メインアイデア)を再度しっかり伝える(メインポイントの主張)
結論② 相手が意見を言いやすいように議論の発展に関して言及してスピーチを終える(展開)
良くあるPREPも基本的には同じです。
Point (主張)
Reasons (なぜそう主張するのか説明)
Examples(具体的事例で説明)
Point (主張を繰り返す)
まずこのスピーチの枠(型)を体にしみこませておく必要があります。
英語でWhat do you think?と意見を求められた時まず基本はこの型に従って答える事です。
型にはまらない形式でする事は自信のある上級者がする事だと覚えておいてください。
守・破・離です。英検1級ではスピーチができる事が大事で120点のスピーチをする必要はないので
先ほども申し上げましたが、型どおりやって、手堅く80点を狙います。
例えば1.を選んだとします
- Are people today too reliant on what the “experts” say?
イントロ①
マスコミに出てくる有名人の意見や、雑誌にのっているかわいい服をみて影響されない人ってどれくらいいるだろうか?
イントロ②
私は、専門家の意見に人々はとても左右されやすいと思う。特に日本人はそうだ。
ボディ(パターン①)
理由①
自分が知らない専門家という人が現れたらまずは素直に耳を傾ける人が多いと思う。
特に日本は、先生の言われる通りにいう事を聞く事を教育されるのでその傾向が強くなる
理由②
次に、最近はあまりにも情報があふれすぎていて自分だけですべてを判断するのはとても難しい。そんな時有名な雑誌新聞で、XXの専門家の○○さんと紹介されれば盲目に信じてしまうのは自然であろう。
トヨタではなぜを5回繰り返せと言われるがそんな本質にいつも切り込むような態度はそもそも疲れてしまう
結論①
このように、教育された環境や昨今のあまりにも情報が多い環境では、専門家の意見に盲目に従ってしまうのは仕方がない事だ。
結論②
このような時代だからこそ、専門家と呼ばれる人は責任をもった発言をする事がもとめられるだろう。最近ではスタンダードプアーズというリスクの専門家がサブプライム債権にAAAを与えていたがこのような事は本来あるべきではない。
自身で考える必要も重要だが、専門家と呼ばれる方の責任はますます高まっている
と、こんな感じで50秒で考えられるのが理想です。
ポイントは枠がある事です。そこをただ機械的にうめていくだけだからこそ素早くアイデアが出てきます。
質疑応答対策
これもスピーチ程長くはありませんが、やはり常に結論から言うべきです。
PREPで答える癖をつけておくといいのではないでしょうか?
Point: まず質問に関して明確に自分なりの意見を答える(どちらとも言えないはできるだけ避ける事)
Reason:なぜそう言えるのか理由を説明する
Example:その根拠をサポートする具体的な事例を示す
(Point):質疑のレベルでは必ずしも必要ないが必要に応じて
まとめ
ちょっと長かったので、まとめておきましょう。
一言で言うとスピーチのお作法”型(枠)”を体に覚えさせておく事が一番重要です。
・トピックを素早く選ぶ”型”
・スピーチを構成するための”型”
この2つを特に意識して下さい
面接を乗り切るために、現状を知る
さて、具体的に何を習得すれば英検1級に突破できるか明確になったので
次にそれができるようになるための要素毎に整理しましょう。
自分はどこに課題があるか明確にして下さい。
①スピーチの基本”型(枠)”は出来ているか?
- スピーチの枠組みは理解しているか?
- イントロ、ボデー、結論の三部がある事はOKか?
- それぞれの要素に何が入るか明確か?
②スピーチのための瞬発力はあるか?
- 思いついたアイデアをすぐ英語で表現できるか?
- じっくり考えれば文章を作れるか?どれだけ考えても思いつかないのか?
③英検1級2次試験で与えられる1分の使い方はしっかり決まっているか?
- トピックは10秒で選べるか?
- 選んだトピックで自分の意見をしっかり決められるか?
①と②の切りわけは日本語でスピーチを作れるかどうかです。
①を日本語ですらすらできるなら問題は日本語⇒英語で、英語での文章構成力が問題です。
ギャップを埋めるための面接対策を実行する
一番良いのはフィードバックをもらいながら練習する事。
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このページをお読みいただきためになったと思われたら直前対策はぜひバリューイングリッシュをご活用下さい。
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普段英語を話す機会がなくても対策コースを活用してしっかりと訓練したら5回の授業と自習で十分な力を身につけることができました。学習のペースメーカーにもなるので、面接に合格したいと言う人は絶対におすすめです!お世辞抜きに値段以上の価値があると思いました。(K.Sさん)
VEの先生方は英検指導のプロです。必要なサポートは与えてくださっていますので、あとは練習を重ね、自分のものにするだけです。自信がないようなら、”ここまで頑張ったんだからきっとうまくいく”と思えるまで練習してください。(武氏のぞみさん)
今までインプットはたくさんしてきましたが、アウトプットは断然機会が少なかったと思います。ひとりで二次試験の練習をしてもなかなかうまくいかず二回二次試験不合格でした。今回バリューイングリッシュを知り、限られた回数のレッスンを受けただけでかなり会話もできるようになり、言いたいことを簡単な英語でスムーズに言えるようになりました。おかげで、やっと一級に合格できました。経験が何よりだと思います。頑張ってください❗(Y.Hさん)
①スピーチの基本”枠”を作るために
練習(1):何でもスピーチしてしまう作戦
- 電車で通勤している場合は、つり革広告からなんでもいいので興味のあるテーマを見つける
- 例:岡田ジャパン迷走4連敗という記事があったら
- ⇒岡田ジャパンに足りないものはなにか?というテーマを勝手に設定します。
- 電車がホームに入ってから発車するまでにスピーチを考えます
- 次の駅に着くまでにスピーチを頭の中でしゃべります。
- もちろんこの時は、イントロ、ボデー、結論の構成でやります。
練習(2):Lang-8を活用して無料で英作文を添削してもらう
- 外国人の興味ありそうなテーマで日記(あまり長くしすぎない事)を書く
- もちろんこの時も、イントロ、ボデー、結論の構成で書きます。もしくはPREPで。
練習(3):USA Todayを活用してスピーチ練習(Twitterのニュースビジュアル)
- USA Today Snap Shotのページへアクセス
- 目をつぶって記事をめくり、ここだというところで目をあける
- 1分考えて、記事をテーマに自分のスピーチを2分でする
- おわったあとどういう表現がしたかったけどできなかったか?を良く考えてスピーチを書いてみる
- もう一回2分でスピーチしてみる
②スピーチのための瞬発力をつけるために
Longmanを活用して説明能力をつける
- 今日のボキャブラリーを自分で選ぶ
- 例えば What is an “entrepreneur”?と自分に質問
- 自分なりに説明して見える
- うまくできなかったら自分なりに納得できるまでじっくり考えてみる
- Longmanで意味を調べてその表現を盗む&答え合わせ
- Longmanは基本2000語で5万語を定義(英検1級は1.5万語の語彙力)つまり、2000語知ってれば英語は話せる
VOA等を参考にシンプルな英語での表現力を作り上げる
- 記事を声に出して読む
- シャドーイングする(文字は見ない、意味を日本語に訳す同時通訳のつもりで処理する)
- 5回くらい繰り返す
- 最後に自分なりに記事を要約してみる(もちろん2分で)
※英検1級のスピーチに使用する単語はほとんど基礎レベルなんです。(英語を話すために必要な3つのこと)
③英検1級2次試験で与えられる1分を有効活用するために
- 5つのトピックを10秒で選ぶためにはどうするといいか知恵を絞る(虎の巻をもう一度読んで下さい)
- 50秒でスピーチを構成できるかどうかは①と②の対策にかかっています!
最後に 皆様へのお願い
最後に皆さまが英検1級に見事突破され、英語上級者への扉を開かれる事を心よりお祈り申し上げます。
そして、近年ますますアジア諸国で後れをとりつつある日本の英語教育を変えていける人材が一人でも増える事を祈っております
- こちらのコンテンツは無料で公開しているため広告宣伝にお金をかけられません。英検対策に数万円も取れるリッチな学校ではありませんので、ぜひブログ等をお持ちでしたらリンクを貼って下さるようにお願い申し上げます
- 周りに英検2次を受講の予定の方がいらっしゃったらお勧め下さるようにお願い申し上げます
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【参考】英検®1級2次 試験対策 サンプルスピーチ(音声付)
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