【英検®️1級勉強法】英語の読み方 リスニング篇

おすすめ書籍

2024/3に発売になったばかりのこちらの書籍、首を長ーくして待っていた自分、当日Kindleで購入しておよそ1週間で読み終えました!英語力(特にリーディング・リスニング)を高めたい方にオススメです。

著者について

北村一真先生

2010年慶應義塾大学後期博士課程単位取得満期退学。滋賀大学、順天堂大学の非常勤講師を経て、杏林大学外国部学部准教授。

北村先生の著書

英文解体新書(研究社)
英文解体新書2(研究社)
英語の読み方(中公新書)
英文読解を極める(NHK出版新書)
上級英文解釈クイズ60(左右社)
上級英単語LOGOPHILIA(共著・アスク出版)

「英語の読み方」はすでに読了、「上級英文解釈クイズ60」は現在進行形でただいま14問目まで終了、LOGOPHILIAも読了(1回目)、英文解体新書は両方持ってますが、難しすぎてまだ手をつけていません・・・(恥)いや自分、もうすぐ読めるようになる実力をつけますからね!(固い決意!)

こんな人に

「話す英語の本質」と書いてありますが、どういったことなのでしょう?

北村先生によると「書き言葉と話し言葉の英語はそれぞれに特徴や傾向はありこそすれ、あくまで同じ「英文法」に則ったものである」(本文より引用)

そうなんです。それぞれで使われる英文法は同じであり、それを学び理解しておくことが必要だということなんです。

また「話し言葉は書き言葉との距離が様々である」(本文より引用)ため、その距離感を押さえた上で聞き取っていくことが必要だということ。 

例えばスピーチなどでは、一方的な情報発信であり、しかも原稿などが用意されることも多いため、書き言葉との共通点が多い・・・これはよく分かりますね。

ところが、インタビューなどダイアローグでは双方向のやりとりで、即興的な対応が求められたりするので、色々な相互作用によって書き言葉との距離も離れることが多くなります。

英語を聞き取るとき・話す時も以上のことをはっきりと念頭に置いておくと、英語でのやりとりが容易に感じられるかもしれません。


また、こちらの書籍は、独学でリスニング対策をするときに大変有用です。

皆さんは、リスニングの練習というと、音声教材を聞く、過去問をやってみる、YouTube動画を見るなどして行っていることと思います。

しかしながら、本当に正しいやり方で行っているのでしょうか。事実、英検対策として過去問などを大量にこなしてきた自分の場合、いくらやっても効果が出ず、途方に暮れたものです。今思えば、あの程度の文法力では、リスニングなんかまともにできるわけがない、と理解できます。

リスニング対策の正しい方法を知り、その方法を使いながら自分に合った教材を見つけて、毎日実践を積み重ねていくことが大事です。

本書で使われた素材は、QRコードで動画にジャンプできるようになっており、すぐにその音声と映像を参照することができます。実際に英語圏で使われている素材ばかりです。

星8つ!

星5つ+3=星8つ!・・・それ以上のお得感があるのがこちらの書籍です。

それでは詳しくご紹介します。

正しく読めたら聴ける

英語の語順通りに理解する

皆さんご存知の通り、私たちの母語である日本語と英語は語順が大きく異なります。ですから、その日本語を基準として英語を聞くと、脳内で混乱が生じます。(自分の体験から)

北村先生によると「日本語に置き換える癖が残っていて、それによって読む速度が遅くなっている場合がある」(本文より引用)とのこと。

また「(英語の)各パーツに関しては、日本語の置き換えによるサポートを大いに活用してかまわない」ともおっしゃっています。(本文より引用)

私たちは日本人ですから、どうしても日本語の影響を受けてしまいます。(母語干渉)ですから、日本語で置き換えて理解できるのならそれで良い、ということになります。これは心強い。

ここからが大事・・・「文型や修飾関係の大きな構造については英語の順番のまま理解する癖をつけたほうが絶対に読む速度は上がります」(本文より引用)・・・つまりネイティブが通常読むように読むということでしょう。

恥ずかしながら、自分この「ネイティブが通常読むように読む」ことがやっと少しずつできるようになってきたような気がしています・・・(本当に恥ずかしいことですね・・・)

それはどうしてか?

おそらく、「英文法に忠実に、書いてあることを正確に読み取る」訓練をしているからだと思います。毎日、大学受験の問題集・参考書を使っていまだに地味に学習しているのですが、本当はもっと効率よく勉強する方法もあるのでしょうね・・・

このように、英語の語順のまま、正しく読むことができるようになれば、正しく聴くこともできるようになるはずですね。

構造を予測する

「構造」というと大袈裟になりがちですが、北村先生はさらに英語学習初心者の人にも分かりやすい例を出してくださっています。

日本語:名詞を修飾する語はすべて名詞の前に置かれるため、名詞が出てくると「その名詞句のゴールということで一息つく」ことができる

英語:後置修飾が発達しているので、「名詞を見た段階で次の流れを予測する必要がある」!!

なるほど、なんとなくわかってはいたけれども、この違いはかなり大事です。

【英検1級2023-3より少しだけ抜粋】

..., mutation rates alone are insufficient to account for the rapidity with which such adaptations arises.

「突然変異率だけでは、不十分である、このような適応の早さを説明するには。」(前から順に書くとこうなります。)

つまりrapidityを見た(聞いた)瞬間「どんな速さなのかな?」と予測することが必要ということなのです。


長い主語に惑わされない

こちらも本当にその通りなんですが、実際に長い主語に直面すると、途中で何が言いたいのかさっぱりわからなくなり、迷子になることが多い自分です・・・

英文を読んでいる時ならば、サッと前の部分まで戻って読むこともできますが(本当は良くないのはわかっています・・・)同じ英文を聞くだけで理解することは難しいことです。

こちらも英検1級の長文問題にはよく登場しており、自分を混乱させる原因となっています。

独習のコツ

書籍だけの学習で終わっていたのでは、もったいないですね・・・・。あとは自分でどんどん実践していく必要があります。

北村先生は「独習のコツ」で様々なtipsを提供してくださっていますが、中でも英語の音に関しては英英辞書の活用も勧めてくださっています。

自分もいつも活用しているCambridge Dictionary、こちらは発音記号も「精密表記」ですし、音も再生できるスグレモノです。自分はタブで固定していつでも参照できるようにしています。
Cambridge Dictionary | 英語辞典, 訳 & 類義語
最も人気がある英語学習者のための辞典と類義語辞典。言葉の発音と訳もついた意味と定義

前作「英語の読み方」ももちろん読みました。こちらもおすすめです。

英検1級対策ならこちらです。

英検®1級2次面接試験 対策講座 | 「結果を出したい人」が集まるオンライン英会話。バリューイングリッシュ

やはり英文法は大事

定型表現を丸覚えする

北村先生によると「複雑に見える構文も実は定型表現」(本文より引用)とのこと、これを知っておくだけでリスニング力はぐんと向上しますよね。

奇抜な衣装?で有名なあのレディ・ガガのスピーチの一部を例に挙げてくださっていますが、それは本書を是非是非お読みください。

英検1級長文に頻出のこちらの定型表現を、YouGlishで、実際に検索してみました。

▼こちらで実際に動画を見ることができます。
Improve Your English Pronunciation
When words sound different in isolation vs. in a sentence, look up the pronunciation first in a dictionary, then use
検索したらなんとあのオバマ元大統領の演説が出てきてびっくり!

ということは、英検1級で頻出するこの表現も、特別な表現ということでもなく、ごく普通に使われているということですよね。英検1級の学習は本当に価値があると思います。

 "I also emphasized the degree to which United Kingdom's leadership on the world stage is essential."  

「私はまた、世界の舞台における英国のリーダーシップが(どの程度)不可欠であることを強調した。」
文脈から理解する

「英語の文章構成には「階層」があり、その階層の初めで、これから書く(話す)内容の全体像をまず示し、次の階層で個々のポイントを具体的に示していく」(本文より改変して引用)こと、ご存知でしたか?

これは英検1級の長文でよく見られる手法ですね。また、essay writingにおいても同様の構成で書き進めることが多いと思います。

話す英語であっても、このような「階層構造」が基本的には用いられていること、自分にとっては本当に新鮮でした。書き言葉はそうであっても、話し言葉についてはそれほど明確なものではないだろうと考えていたのです。

今まではその理由がはっきりしなかったのですが、第6章「アドリブ力を高める」〜あらゆる破格的な表現にも対応〜を読んで、明確に理解できました。

つまり自分は、この「破格的な」、つまりルールに沿っていない文構造により、聞き取ることができなくなっていることが多い?のです。

リスニングが不得意な方はぜひ、この第6章を熟読されたあと、ご自分でどんどん実践されることをお勧めします。

まとめ

なんと!巻末付録として「カタマリで覚えて理解力を上げる定型表現20」があるじゃありませんか!もうこれであなたのリスニング力向上は確約されました!(しっかりやればね・・・)ここではお見せできないので、絶対買ってね!

新書版なので、短期間で読むことができます。このような有用な書籍が、2コインで買えるのが嬉しいですね。

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