全国通訳案内士の難易度について

学長

全国通訳案内士の難易度ってどれくらいなんでしょうか?取得の価値ってあるんでしょうか?

学長 堀場
学長 堀場

全国通訳案内士は結構な難関試験です。取得の価値については… そして最近の観光産業の現状を踏まえると….

全国通訳案内士の難易度は?

全国通訳案内士は、もとも合格すると官報に掲載される国家資格でした。

受験科目でいうと、一次試験では筆記5科目(外国語・日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務)、二次試験では外国語の口述と科目もとても多いです。

なぜこんなに難易度が高かったのか?それは。。。

通訳案内士も2018年1月以前は、「業務独占資格」だったんです。

「業務独占資格」とは、その資格を持っている人だけがその業務に従事することができる資格です。弁護士や医師、美容師などがこれに該当します。例えば、美容師免許のない人がカットをして料金をもらうと法律によって罰せられます。

しかし、これ全くもって形骸化していたんですね。そして、大手の旅行代理店とかにとってはこの「業務独占」が煩わしいんです…だって、中国からのお客さんからお金いただいて中国人の社員に案内させたらコスト安くすんじゃいますよね。でも、この法律があると、通訳案内士を持っていない人が日本国内で有料で外国人向けにガイドすると違法になる。

そんなちょっとむつかしい背景があるのがこの「全国通訳案内士」なんです。

学長はなぜ通訳案内士を取ったの?

実は、学長ちょっとオタクというか、資格マニアな部分があるんです。英語の三冠と言われたのが、TOEFL100・IELTS7.0というCEFR C1相当、実用英語技能検定(同様にCEFR C1)、そして通訳案内士(語学の唯一の国家資格だから?)の3つなんです。本当にそれだけの目的で取りました。あと、おじーちゃんになった時の趣味に良さそうだなというのもありました。それに加えて、業務独占資格だった時代は、民間外交官とも呼ばれていました。というのも、日本の文化を紹介することは、究極的には外国の方に日本について理解いただく大変よい機会だからです。

一番はじめに考えたいことはなぜ取りたいのか?目的を明確にすること

この試験、はじめにも書きましたが、1次試験だけで5科目もあります。しかも結構難しい。はっきり言って、業務独占でなくなった今となっては、はっきり言って具体的なメリットはほぼないです。しかも2次試験はなぜか難しくなっています。

2次試験の評価項目は5つあり、1. プレゼンテーション、2. コミュニケーション、3. 文法及び語彙、4. 発音、5. ホスピタリティーです。2次試験では、日本には四季があって、、、と説明したのに、私は5つだと聞いたという意地悪質問が試験管からあったのですが、私自身は、相手を否定せずに、そうですね〜もしかすると春と夏の間にある梅雨を海外でいう「雨季」ではないですが、1つの季節としてカウントできるかもできないですね〜と答えました。そんなことが聞かれる試験です。

どのように試験対策するといい?

科目もあるので、おすすめは科目合格を取っていく方法です。

試験直前の負荷を減らし平準化する作戦がおすすめです。

英語の免除は、実用英語技能検定(英検)1級またはTOEIC Listening & Reading Test 900点以上です。つまり、通訳案内士がど〜しても取りたいならその前からチャレンジしてもいいですが、英語力がこのレベルに達してから受けるのがおすすめです。

歴史は、歴史能力検定2級以上でOKです。これも歴史の問題を見ていただくとわかりますが、普通に結構難しい試験です。(歴史能力検定2級自体がそれほど簡単ではないです)

地理は、国内旅行業務取扱管理者資格で行けます。こちらは、JRの運賃計算というのが出るのですが、ここを得点源にすると非常に簡単に合格できる試験ですので、地理にものすごく自信がない限り、科目合格をとっておくのがおすすめです。

資格取得するべきか、、、

これは、もう今となっては、やりたいかどうかそこだけです。ガイドに興味があるならば、先にガイドの仕事をやってみるのも良いと思います。「教養」として、「趣味」として取りたい場合はもちろんどんどんチャレンジすればいいと思います。しかし、資格があるからといって何らかのメリットを得られる試験では現在はなくなっています。単純な投資とリターンで考えた場合難易度を考えるとメリットは薄いです。


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