先日お悩み相談として英検1級を目指されているお客様からいただいた「時間をかけないと満足のいくessayが書けない」というお悩みに対して、今回の英検1級一次試験に合格された方からアドバイスが届きました。
先日の2018年度第1回目の英検1級一次試験を受験し、合格した者です。合格時のwritingの素点は29/32でした。
何かのtopicに対して自由に考えを構築し、表現することが好きなので、ライティングは私にとって好きなパートでもあり、同時に得意なパートでもありました。
勿論、29/32という点数は、ネイティブから見れば英語力・表現力は遥かに及ばないと思います。それでも、質問者さんの疑問や不安を少しでも解消することができればと思い、私がライティングの対策で意識していたことを共有しようと思います。
力を入れて取り組んだものはValue Englishさんの添削サービスです
私が英検1級のライティング対策として利用したものは、Value English さんの添削サービス計15回分、Japan Times さんの「英作文問題完全制覇」、植田一三さんの著書「英検1級面接大特訓」の3つです。
Value English さんの添削サービスを軸にライティング力に向上を図り、残りの2つは、語彙のチョイスや意見の組み立て方の参考にしました。
ちなみに、最近は世界事情が目まぐるしく変化していたので、意見をきちんと英語でまとめることまではしませんでしたが、聞かれたらどう答えようか、自分の立場(賛成/反対)とその理由を3つ、時間に余裕がある時はそういうことも考えていました。
Value Englishさんの添削サービスを効果的に利用する方法
まず、このサービスを利用する私にとって重要だったことは、添削はテスト本番とは違う、ということです。
試験本番では限られた時間内で考えを素早くまとめて書き出す瞬発力が求められます。しかし、準備の段階で私が重要だと思うのは、考えを精度よくまとめて整理し、引き出しを多くすることです。
確かに何度か本番同様に30~40分内に英作文を書く練習をしておくべきだとは思いますが、writingで求められる瞬発力の根本にあるのは「多くの知識」と「考える力」だと思います。
InputがなければOutputもできません。
一方で、考える力があれば、限られた情報しかなくても、それらをもとに、説得力のある意見を展開することができます。
そう言う訳で、私は、練習の段階では、早く書くことよりも、しっかりと考えて論理的に意見をまとめることを意識すべきだと考えています。
そのため、添削の文章を作成する時は、時間がかかることは全く気にしていませんでした。それよりも、例えば答え方に詰まったり、背景知識が曖昧な場合は、Internetで徹底的に調べることを先に行いました。一度、国連が提供している統計データを参考にしたこともあります。
添削用の英文作成の時の私の目的は、時間をかけずに間に合わせの文章を作ることではなく、時間をかけて自分が作成できる最高精度の文章を作ることでした。使用する語彙もレベルの高いものを意識して使い、説得力のある文章を作ることを心がけました。それでも、苦手なtopicに対しては、時間をかけても満足のいく文章をつくることは難しかったですね。所要時間はだいたい1~3時間程度だったと思います。
Feedbackが届いたら、内容すべてに目を通し、問題点を分析します。議論の方向性が間違っていることもあったので、suggested answerや講師からのadviceを参考にして、どのように答えれば良かったのか、見直しました。
また、私の場合、vocabularyのチョイスを間違えることが多かったので、「なるほど、この単語はこういう場合は使えないんだな」と、その都度頭に入れていました。このようにして高いレベルの語彙を身につければ、試験本番では、そうやって身についた語彙を自信をもって使用することができ、結果的にwritingのvocabularyの点数も高くつくことに繋がります。
文章を提出するまでに徹底的に足りない知識を埋めて、難易度が高い語彙も積極的に使用し、最終的に添削結果を確認すれば、この段階で既に、そのtopicに関して十分な知識と意見を持っています。あとは、何度か添削結果を復習して、知識と意見を定着させるだけです。
以上がwriting対策で私が実際に行なったことと意識したことです。
本番では
参考のため、試験本番のwriting問題にどのように取り組んだのかも共有しておきます。所要時間は30分でした。もう少し時間がかかると予想していましたが、考えをまとめるのに5分もかからなかったので、合格するには十分な文章を書くことができました。
試験本番で重要なことは、完璧な文章を作ることではなく、合格できる文章をつくり、英語の運用能力があることを示すことです。
このため、文章の内容に多少の突っ込みどころがあっても、そんなに気にしていませんでした。「この文章、面接だったら反論されるかもしれないけど、一貫性は崩れていないし、論理の飛躍もない」と確認して、まぁ大丈夫かな、と妥協した部分もありましたが、結局29/32を獲得できました。
練習の時は考えることと文章の質を重視して、自分の中に物事に対して意見を発信するための「基盤」のようなものを作っていきましたが、本番では、文章の質はある程度妥協し、減点されるポイントが含まれないような「悪くない文章」を作ることに重視しました。
実際に出題された問題について
テーマは2020年のオリンピックの開催は日本に利益があるかというものでした。私は下記の様に意見を述べました。
まず賛成の立場の方が考えやすそうでしたので、賛成という立場をサポートする理由を考えました。日本でオリンピックを開くことになれば、inbound visitorsの数は激増し、これは日本企業の製品やサービスに対して多くのお金が払われることになるので、日本経済が活性化されます(理由1)。
また、多くのinbound visitorsに合わせて、観光業のような仕事の雇用機会が増えます。日本のより多くの人が仕事に就くことができれば、それだけ多くの人が今までよりも快適な生活を送ることができます(理由2)。
最後に、オリンピックのために様々な国の代表者や大物も来日する可能性があるので、そうなれば、互いの関係を良くする機会になります(理由3)。
これで29点取得、詳細は下記の通りでした。
大問4 英作文
・内容 7/8
・構成 8/8
・語彙 7/8
・文法 7/8
ご相談者の方、ライティングで悩まれている方の参考になれば幸いです。
ご協力いただきましたI様、ありがとうございました。ご相談者の方はもちろん、これから受験される方にとっても、大変貴重なアドバイスです。次回はこの質問に対する学長堀場からのアドバイスも掲載しますので、お楽しみにしていて下さいね。

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